クリスマスイブ

今日はクリスマスイブ。世界で一番初めのクリスマスの出来事をお伝えしましょう。

ユダヤの人々はいつか自分たちのために救い主が現れてくださると信じていました。昔から神さまが預言者を通してそう教えてくれていたのです。

ある日ナザレの村のマリアのところに天使がやってきて、告げました。「おめでとう!もうすぐあなたに男の赤ちゃんが生まれます。その子は神さまの子どもです。」

マリアはびっくりしましたが、すべてを神さまにお任せする覚悟を与えられました。いいなずけのヨセフにも夢に天使が現れて、そのことを教えてくれました。

さて、その頃、人口調査が行われることになりました。皆自分の生まれ故郷に帰らなければなりません。ヨセフは身重のマリアをかばいながら、ベツレヘムへと向かいました。何日もかけてベツレヘムについた夜、いよいよ赤ちゃんが生まれそうになりました。ところが人口調査のためにどこも満員で泊まる場所がありません。「お願いです。どこでもいいですから泊めてください。赤ちゃんが生まれそうなんです!」ヨセフは必死に宿を探します。「それはお困りですね。馬や羊と一緒で良ければ家畜小屋が空いていますよ。せめて新しい藁を用意しましょう!」親切な宿屋さんが場所を用意してくれました。

こうしてイエス様は、寒く暗く貧しい場所にひっそりとお生まれになりました。世界の王様に相応しい場所ではないのかもしれません。けれどもそれは貧しさや孤独や悲しみの中にある人々に寄り添うイエス様の救い主としてのお姿でした。

ベツレヘムの野原では羊飼いたちが夜通し羊の番をしていました。すると突然、夜空が明るく輝き光が一面を照らし、天使が現れました。「今日ベツレヘムであなた方のために救い主がお生まれになった。その方こそ主メシアである。さぁ、早く拝みに行きなさい。」

天使たちは告げました。「いと高き所には栄光、神にあれ。地には平和、御心にかなう人にあれ。」

「なんて嬉しいお知らせだろう」「さぁ、その方を拝みに行こう!」羊飼いたちは喜びいっぱいで出かけていきました。

さて東の国の占星術の学者たちが星の研究をしていたところ、不思議に輝く星を見つけました。「あれはきっとユダヤの王様がお生まれになった印の星だ。」不思議な星に心を突き動かされた博士たちは宝物を持ってその方を拝みに行くことにしました。ひときわ輝く星を目当てに博士たちは遠い遠いユダヤに向かって旅立ちました。

ベツレヘムの貧しい家畜小屋。博士たちがひざまづいて捧げものをします。黄金・乳香・没薬…。そしてイエス様を拝みます。何もない場所だけれど空には星が輝き、平和の光が灯ります。御子は安らかに眠っています。世界で最初のクリスマスの物語…。

神さまどうぞ世界が平和でありますように。メリークリスマス