ファンタジーがいっぱい

先生がフワッと広げてくれた青い空。♪上から下からおおかぜ来い♪ 最初はこの歌に合わせて上下する布をくぐり抜けていたのだけれど…小さな青空を、みんなで見上げて喜びます。

おままごとの途中で布を使っているうちにこの遊びを思い出した2歳の子ども達。布を上下するタイミングを合わせるのはなかなか難しくて…。それが又楽しくて、みんなが集まってきます。

このままでは通れないと考えたK君。ちょっと高くなっている端っこを通ります。(お見事!!)空の布は青くないけれど、とても低いけれど、風は吹いてこないけれど、あの楽しい遊びは心に広がっています。

さて、ある時公園の滑り台が雨で濡れていて使えません。そこできれいな葉っぱを代わりに滑らせてあげることにしました。「はっぱさん、いってらっしゃーい!」たくさんの葉っぱを何枚も何枚も滑らせてあげました。心は葉っぱと一緒にシュ~ッとなめらか気分です。と、いつしか一緒に滑り出すMちゃんの姿が!

昨日、園庭の隅に置かれている「良いもの」を見つけました。

落ち葉を拾い集めた透明のゴミ袋ですが、こども達の目にはどうやらライオンに見えるようです。

なるほど!確かに!!横を向いたおすまし顔のライオンが眠っています。「くぅ~くぅ~」先生が小さな寝息を立てました。ところが突然聞こえる「ガオー」の声。驚いて逃げ出す子ども達も楽しくてたまりません。

小さな日常の中には、ファンタジーがいっぱいです。色々な物と出会いながら心を響かせ合って何気ない日常を輝かせている子ども達です。

先日、研修の中で素敵なお話を聞きました。子ども達の中の「ファンタジーの力」についてです。子どもは何かになりきる事が得意です。自分以外のものになることで外から知るだけではなく、内側から深く理解するというのです。大好きな担任の先生が子ども達の発想の面白さに目を止めて瞬時にライオンの声を演じてくれた時、一気にライオン(?)と自分達の出会いが鮮やかで楽しいものとなりました。聞けば、ゴミ袋のライオンに近づき「ガオー」で逃げることを7回も8回も繰り返したのだとか…。豊かな柔らかい心で現実とファンタジーを行き来しながら、子ども達は今日も、今を生きています。(戦火の中にある小さな命に思いを馳せて祈りつつ…。)